自分のこころに振り回されたように感じたことはありませんか?
さっきまで元気だったのに、急にイライラしたり、不安になったり。大人も子どもも、こころが“ふと揺れる瞬間”があります。
今回は、その“揺れ”がどうして起こるのか、感情や思考が、私たちの「からだ」とどんなふうにつながっているのかを、一緒に見ていきましょう。
私たちのこころの状態は、脳・神経・ホルモンといった、生きものとしてのしくみと深く関係しています。
たとえば、こんな経験はないでしょうか?
💙 緊張して、心臓がドキドキする
💙 落ち込むと、肩が重くなる
💙 不安で、胃が痛くなる
これは、ただの気のせいではありません。感情を感じたとき、脳はそれに反応して、神経やホルモンに指示を出し、身体のあちこちに変化が起こるのです。感情・身体・思考はぐるぐると影響し合っています。
たとえば、こんなふうに。
💙不安な情報を見た(刺激)
💙脳が「危険かもしれない」と判断し、交感神経が活発に
💙心拍数や呼吸が速くなり、体が緊張
💙「なんだか怖い」「どうしよう」と思考が働く
つまり、脳が“危ない”と判断すると、体が反応し、その体の感覚がまた「怖い」「不安」という思考を強める、というサイクルが生まれるのです。
この「反応のループ」に気づかずにいると、私たちは知らず知らずのうちに、感情に飲み込まれてしまうこともあります。
では、どうすればいいのでしょう?大切なのは、「自分の今の状態に気づくこと」です。
「あ、いまイライラしてるな」「呼吸が浅くなってる」そんなふうに、自分のこころや体をちょっと離れて“観察”できると、その瞬間、「反応のループ」から一歩外に出ることができ、どう感じているのかを見つめ直したり、落ち着く方法を“選ぶ”ことができるようになります。
この「気づいて、選ぶ」という間(ま)のことを、心理学では「反応と選択のあいだのスペース」と呼ぶことがあります。このスペースが、自分のこころを守り、自分らしく生きるためのカギになります。
感情に揺れるのは、大人も子どもも同じですが、私たち大人は、「その揺れをどう受けとめ、どう整えるか」を子ども達に伝えることができます。子どもが感情的になっているとき、「そんなことで怒らないの!」と叱る前に、「今、すごく腹が立ってるんだね」と声をかけてみてください。
それだけで、子どもは「今、自分はこう感じてるんだ」と気づき、少しずつ“自分で気持ちを整える力”を育てていくことができます。
嫌な感情も、悪者ではありません。それは、「いま、こう感じてるよ」という、脳と体からの大切なサインです。そのサインをキャッチできたとき、私たちは自分のこころと少しずつ仲よくなっていけるのです。