コラム

バウンダリーと対話【「わたし」と「あなた」のあいだ Vol.1】

これまでのコラムでは、自分の感情に気づき、心の土台を整えることについて考えてきました。
ここからは、その“内側の力”を、他者との関係の中でどう使っていくかを見ていきます。

コミュニケーションは国や文化によって多種多様。日本では「察する文化」が日常に深く根づいていて、「言わなくてもわかってほしい」「相手の気持ちを読んで動く」ことが思いやりとされてきました。一方、多くの欧米諸国では「伝えなければ伝わらない」「自分の気持ちは自分で説明する」ことが前提です。

この違いは、単に言語の問題ではなく、文化の土台にある「バウンダリー(境界線)」と「アサーション(自己表現)」のあり方に関わっています。

バウンダリーとは、自分と他者との間にある“ここまでが自分、ここからが相手”という線のこと。この線が曖昧なまま異文化の中に飛び込むと、遠慮しすぎて本音が言えなかったり、頑張りすぎて疲弊してしまったり、自分の意思を持つこと自体に罪悪感を覚えたりといった苦しさにつながります。(日本で暮らしていても同様です)

自分を大切にしながら、相手も尊重する。そのためには、バウンダリーを意識し、自分の気持ちや考えを“率直かつ丁寧に”伝えるアサーションの力が求められます。

留学は、異文化の中で自分自身を再発見するチャンスです。
そして、2050年の日本社会は人口の約1割が外国籍とも言われています。異文化コミュニケーションの準備は、今ここから始められます。

🌏日本でできる実践チェックリスト🌏
留学準備中の方だけでなく、日常での人間関係を見直したい方にも役立つ内容です💓
できていることが少なくても大丈夫。そこが、今後の成長のヒントかもしれません☝

ゴール:「わたし」と「あなた」の“あいだ”を心地よく保つこと

💛自分の「感情」に気づく練習
嬉しい・イライラ・不安などの感情を、できるだけ細かく言葉にしてみる
一日の終わりに「今日いちばん心が動いた瞬間」を3つ振り返る
感情を誰かに伝える前に「今、自分は何を感じてる?」と問いかけてみる

💛バウンダリー(境界線)を意識する行動
本当に疲れているとき「今日は参加しない」と言ってみる
誘いや頼まれごとを「無理せず断る」経験をしてみる
他人の感情や期待に“過剰に”合わせすぎていないか、自分を観察する

💛アサーティブ(遠慮せずに率直に)に伝える練習
自分の意見を「私は〜と思います」と主語を“わたし”で伝えてみる
否定せずに意見を伝える表現(例:◯◯さんの意見も一理ありますが、私は〜)を練習する
苦手な人にも、敬意をもって“必要なこと”を伝えてみる

💛曖昧な表現を少しずつ減らしてみる
「まぁいいか」ではなく、「本当はどうしたいか?」と自分に問い直してみる
「たぶん」「なんとなく」などの曖昧語を使わずに伝えてみる
具体的な希望や依頼を、相手に伝える練習をする(例:◯日までに確認してもらえると助かります)

💛 “わたし”と“あなた”の違いを認める視点
「違う意見=対立」ではなく「その人の背景や価値観かも」と受け止めてみる
自分と相手の“感じ方・考え方”の違いに気づいた場面を記録してみる
「どう伝えたら伝わるか?」を工夫してコミュニケーションをとってみる

これらはすべて、日常の人間関係にも活きてくる力です。

留学を控えたあなたも、これからのコミュニケーションのあり方を考えたいあなたも、「“わたし”を大切にしながら、“あなた”ともつながっていく」そんな対話のかたちを、一緒に探っていきましょう。

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