コラム

気持ちに名前をつけてみる【感情とともに生きる Vol.3】

私たちは毎日、たくさんの感情とともに過ごしています。
朝の慌ただしさ、誰かの言葉、思いどおりにいかない予定……

気がつけば、イライラ・モヤモヤ・ザワザワと、いろんな気持ちに揺さぶられているものです。

感情は、海の波みたいなもの。
静かなときもあれば、ザブンと大きな波がくることもあります。

どんなに強い波も、時間がたてば必ずおさまっていきますが、その波の中にいるときは、「このまま溺れちゃうかも…」と感じることも。そんなとき、気持ちに振りまわされすぎず、自分らしく過ごすための“心のスキル”を紹介します。

コツ①「気持ちに名前をつける」(=ラベリング)
「今の気持ちを言葉にしてみる」ことを、心理学では「ラベリング」といいます。

「なんだかイライラするな」
「モヤモヤして、落ち着かないな」
「ちょっと悲しいのかも」

気持ちに名前をつけてあげることで、心が少し落ち着くことが、脳の研究でもわかっています。

まるで、「わかってくれてありがとう」と、自分の気持ちがホッとするような感覚です。

コツ②「いまの自分を、少し離れて見てみる」(=俯瞰する)
気持ちが高ぶっているときは、自分自身がその感情にどっぷり入りこみがちですが、そこからちょっとだけ離れて見てみると、不思議と気持ちに振り回されにくくなります。こんなふうに、自分に声をかけてみてください。

「あ、いま自分、怒ってるな」
「ドキドキしてる。きっと不安なんだな」

まるで、自分の中にもう一人「自分を見る自分」がいて、やさしく実況してくれているようなイメージです。これが、“自分を俯瞰する”という心の使い方です。

コツ③「3回深呼吸して、“今ここ”に戻る」
感情の波が大きくなりすぎたときは、まず3回深呼吸してみてください。

鼻から4秒かけて吸う→1秒とめる→口から6秒かけて吐く(フーッとゆっくり)
この「吸って・止めて・吐く」を1セットで3回。

目を閉じて行うのも良いかもしれません。
そうすることで、脳の“考える部分(前頭前野)”が働きはじめ、“反応するだけ”だった心にちょっとした余白が生まれます。

また、五感を使って「今ここ」に戻るのも効果的です。

今見えるものを3つ言ってみる
今聞こえる音に耳をすませてみる
足の裏が床につく感覚を感じてみる

こうすることで、過去や未来に引っ張られた心を、「今」に戻してあげられます。
感情は、なくすものでも、抑えこむものでもありません。

「いま、こんな気持ちがあるんだな」と気づいてあげることが、心の波と仲よくつき合っていく第一歩です。

どんな気持ちも、あなたの中にある「大切にしていること」のサインかもしれません。

怒りの裏には、「わかってほしい」という願いがあるかもしれない。
不安の奥には、「うまくやりたい」「失敗したくない」という思いがあるかもしれない。

感情と“戦う”のではなく、“波乗り”するように、コントロールするのではなく、その波に気づき、乗りこなしていく。

うまくいかない日もあって大丈夫。

小さな呼吸や言葉かけが、あなたの「心の筋力」をゆっくりと育ててくれます。

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