ウェルビーイングってなに?
世界的にも、日本でも、「学ぶためには、まず“心の状態”が大切だ」という共通理解が、少しずつ広がってきています。
成績や結果だけでなく、その人がどんな気持ちで学び、挑戦しているのか。
安心していられるのか、自分らしく在れているのか。
そうした“目には見えにくい部分”が、実は学びや成長の土台になっている。
そんな視点が、教育の世界でもあらためて大切にされ始めています。
留学や進路のように、子どもが新しい環境へ一歩を踏み出すとき、その背中をそっと支えるのは、家庭にある“安心の空気”だと私たちは感じています。
そしてその空気は、大人が自分の心を整え、穏やかに在ろうとするところから、静かに生まれていきます。 今日は、子どもの挑戦を支えるその土台として、「ウェルビーイング」について、日常の言葉で見つめ直してみたいと思います。
ウェルビーイングは、特別なものではない
ウェルビーイング(Well-being)は、“well=よく” “being=在る”という言葉からできています。
直訳すると、「よく在ること」。
ウェルビーイングというと、「前向きでいること」「いつもポジティブでいること」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。
けれど、私たちが大切にしたいウェルビーイングは、もっと静かで、あたたかく、身近なものです。
💗朝の光がきれいだと感じる瞬間。
💗子どもの何気ない一言に、思わず心がゆるむとき。
💗一日の終わりに、「今日もよくやった」と自分を労う時間。
そうした、日常の中にある小さな感覚。 それこそが、ウェルビーイングの入り口なのだと思います。
心の状態が、学びと挑戦を支えている
私たちの心は、実は「安心」よりも「不安」に先に反応するようにできています。
これは、危険から身を守るために、人間が長い時間をかけて身につけてきたとても自然な仕組みです。
だから、不安になりやすいことも、緊張しやすいことも、決して弱さではありません。
変化が速く、情報があふれる現代では、心が“守りのモード”に入りっぱなしになってしまうことがあります。
ニュース、SNS、比較、評価。
気づかないうちに意識は外へ外へと向かい、小さな安心や喜びに気づく余白が失われていきます。
ウェルビーイングとは、不安をなくすことでも、いつも前向きでいることでもありません。
それは、「いま、ここ」にある安心や心地よさに、もう一度気づいていく力。
守りのモードから少しだけ離れ、感じる力を取り戻していくことです。
安心、感謝、安堵、希望。
そうした穏やかな感情は、心の回復力を育て、しなやかに立ち直る力につながっていきます。
家庭にある“安心の空気”という土台
留学や進路は、子どもにとって大きな挑戦であり、冒険です。
新しい環境へ向かうとき、支えになるのは、制度や情報だけではありません。
失敗しても戻ってこられる場所があること。
ありのままの気持ちを置ける場所があること。
家庭にある“安心の空気”は、子どもが前に進むための、見えないけれど確かな土台になります。
そしてその空気は、私たち大人の表情や声のトーン、日々の関わり方や言葉がけから、自然と伝わっていきます。
私たち大人が少し穏やかになると、家庭の会話の間合いが変わります。
たとえば、私たちが「今日はここまでできたな」「いま、少しほっとしているな」と感じられる瞬間。
そんな小さな気づきを、否定せず、そのまま味わってみること。
その積み重ねが、変化の中でも自分らしく在り、大切な人の挑戦を信じて見守る力を育てていきます。
ウェルビーイングとは、特別な幸せを追い求めることではなく、日々の中で「感じ、立ち止まり、味わう」こと。
その小さな積み重ねが、心に静かな余白を取り戻してくれます。 今日という一日の中に、あなたのウェルビーイングの瞬間はありましたか。