コラム

心が疲れているな、と思ったときは【ポジティブ心理学とウェルビーイング Vol.2】

心が疲れているな、と思ったときは

世界的にも、日本でも、「学ぶためには、まず“心の状態”が大切だ」という考え方が、少しずつ共有されるようになってきました。

それは裏を返せば、心が疲れていると、学ぶことも、挑戦することも難しくなる、という事実が、あらためて見つめ直されているということでもあります。

「最近、なんだか余裕がない」

「前はできていたことが、うまくできない」

そんな感覚を抱くことはありませんか。

今日は、私たちの心はなぜ疲れてしまうのか、その仕組みを、日常の感覚に近い言葉で見ていきたいと思います。

心が疲れるのは、弱さではない

私たちの心は、安心よりも不安に先に反応するようにできています。

これは、人間が長い時間をかけて身につけてきた、とても自然な仕組みです。

危険を察知し、身を守るために必要だった反応でもあります。

不安になりやすいこと。

緊張しやすいこと。

心配が頭から離れないこと。

それらは決して、性格の問題でも、努力不足でもありません。

心が疲れるのは、一生懸命に生きている証でもあるのです。

“守りのモード”が続くと、心は消耗する

現代は、この“守りのモード”が続きやすい環境でもあります。

ニュース、SNS、通知、比較。

変化のスピードが速く、気づかないうちに意識は外へ外へと引っぱられます。

常に何かに反応し続けていると、心は休む間を失い、小さな安心や喜びを感じ取る余白がなくなっていきます。

「休んでいるはずなのに、疲れが取れない」

「何もしていないのに、どっと疲れる」

そんな感覚があるとき、心はまだ“守りのモード”の中にいるのかもしれません。

ウェルビーイングとは、安心に戻るプロセス

ウェルビーイングとは、不安をなくすことでも、元気でい続けることでもありません。

それは、緊張や不安に気づき、そこから少しずつ安心に戻っていくプロセスのこと。

「いま、ここは大丈夫」

「少し呼吸が深くなった」

「さっきより、肩の力が抜けている」

そんな小さな変化に気づくことが、心を回復させる第一歩になります。

ここで大切になるのが、「考える」よりも「感じる」ことです。

私たちは疲れているときほど、

「どうすればいいか」

「ちゃんとしなきゃ」

と、頭で考えようとしてしまいます。

けれど、心を安心に戻す入り口は、思考よりも先に、感じることにあります。

たとえば、

いま、どんな音が聞こえているか。

足の裏が床に触れている感覚。

お茶の温かさや、香り。

外の光の明るさや、風の気配。

こうした五感にそっと意識を向けると、心は自然と「いま、ここ」に戻ってきます。

感じることは、特別なトレーニングではありません。

すでに、誰もが持っている力です。

ほんの数秒でも、五感に意識を向ける時間を持つだけで、張りつめていた心が、少しずつゆるんでいきます。

私たち大人が、自分の心の疲れに気づき、無理に元気になろうとせず、安心に戻る時間を持つこと。

その姿は、言葉以上に、家庭の空気として伝わっていきます。

子どもにとっても、

「疲れても大丈夫」

「立ち止まってもいい」

そう感じられることは、次の一歩を踏み出すための大切な土台になります。

心の疲れに気づくことは、弱さではなく、自分を大切にする力です。

今日という一日の中で、あなたの心が、少しほっとした瞬間はありましたか。

関連記事

ページ上部へ戻る